ー私がスウェーデン語を学習した理由ー
「ここでは、ありのままでいいんだ」
空気を読めなくても、常識にはまらなくても、
責められることはない。
まるで男の子のように育った、本来の私らしさを捨てることなく
1人の人間としてみてくれる。
そんなスウェーデンという国に触れたとき、
「ここに住んでみたい!」と強く思いました。
私は小学生の頃、スカートが嫌いな女の子でした。
自転車を乗り回し、
素手でザリガニを捕り、
男子と平気で口論もしました。
「知りたい」「チャレンジしたい」と思ったことは、
すぐ行動に移すタイプで
中学生のときなど、親に黙って家を抜け出し電車に乗り
2時間かけて東京に行って1人で思うまま探検もしました。
「常識的に考えて」
私の苦手な言葉です。
おそらく母が、『世間の常識』で私を縛るようなことを一切せず、
『女の子だから』などと、女子らしくあることを強要しなかったからだと思います。
でも私の育った日本は…
空気が読めないと責められ、
少しでも常識から外れれば批判され、
女性なのに料理ができなければ非難されました。
「なんで?」
悔しかった。
料理はできなかったけど、
テレビもWi-Fiルーター(当時は今より複雑だった)も自分で設置できたし
機械関係で困ったことはなかった。
家族を養いたくて、責任と誇りを持って早朝から夜中まで仕事もしてた。
日本には、「私」という1人の人間の前に、女性というフィルターが存在する。
…じゃあ、スウェーデンでは?
ここにも『常識』はもちろん存在する。
存在するけれども、日本よりもっと緩やかだ。
女性だからと、スカートを履く必要はないし
スウェーデン国内の学校のほとんどが私服登校だ。
大事なことで失敗しても、
「なんだ、できなかったの?ワハハ!」
失敗談は喜劇だ。
空気?たぶん読むことを知らないかも。
言いたいことがあったら、ハッキリ伝えればいい。
先生にでも、上司にでも。
変な空気になったら、笑い飛ばせばいい。
大学?
受験資格さえ揃っていれば
行きたいと思う人が、行きたいと思うタイミングで受験できる。
高卒で一度就職してからでも、世界一周してからでも。
何より、自分のやりたいことをすることが大切だ。
「どんな人間か」
これが、スウェーデンにおいては女性かどうかより大事な視点だ。
私は思った。
「こんなに自分の生い立ちとピッタリはまる場所があるだろうか?」
そこから、スウェーデン語を本格的に勉強し始めた。
スウェーデンに住み、もっとスウェーデンのことを知りたかった。
特別支援学校で教員をしてたので、それも私の意志を固くした。
"福祉先進国"スウェーデン
この国で学ぶことは、もしかしたら
受け持ってきた生徒たちの未来に、何か役立つことがあるかもしれない。
言語カフェに通い、必死で机にかぶりついて勉強した。
2冊だけ手に入った参考書は、真っ黒になるまでやり通したから
スウェーデンでもじゅうぶん通用すると自負してた。
…残念ながら、それは勘違いだった。
スウェーデンに来てみたら、
あれだけ必死に勉強したのに、まるで歯が立たなかった。
ネイティブの言葉が、全然聞き取れない。
発音が、通じない。
文法がわかるだけじゃ、日常生活すらままならない。
それもそのはず。日本では、ほとんど独学だったからだ。
移民が最初に通う学校、"SFI"ですら
クラスメイトの方がずっと優秀で、
思うような成績も取れずに打ちのめされて完全敗北した。
「もっと勉強しなくちゃ」と参考書を探すも、
知りたい情報は載っておらず、1冊1冊がものすごく高かった。
仕方ないので、先生の教えてくれることに必死で食らいついた。
でも、先生も公式の採点基準も、あてにはならなかった。
言われた通りにやっただけでは、Aが取れないのだ。
スウェーデン語として認められるには、
何か他の要素が、先生の説明や採点基準の文の外にある。
それは、肌で感じとるしかなかった。
スウェーデン語には、英語みたいに
親切に手取り足取り教えてくれる参考書や学校はない。
自分で切り開くしかなかった。
図書館でスウェーデン語の本を片っ端から読み調べ、
インターネットもフル活用した。
とにかくできることは全てやり、時間と手間をかけて試行錯誤した結果が
自己紹介欄にも書いたSAS3・BetygAだ。
スウェーデン語は、言語として英語ほど難しくはない。
でも、ちゃんと勉強しようとするとものすごく大変だ。
英語が通じるからと、スウェーデン語を勉強しない移民もいる。
でも…
スウェーデンという国を
その文化や歴史や背景を
そして人々を知るには、スウェーデン語を話すことが必要だと思う。
スウェーデン人と距離を縮められるし、
受け入れてもらいやすい。
反対の立場に立ってみればわかるだろう。
日本に移住してきた外国人が、英語しか話さないのと、
日本語を必死で勉強しているのと、
どっちに心を開けるだろうか?
それはスウェーデン人も同じだと思う。
だから私は、スウェーデンに興味を持つ方々には、スウェーデン語を勉強して欲しいと思う。
情報の少なさに、心折れそうになっても、諦めないで欲しい。
私が、私の経験した全てをこのブログで発信するから。
少しでも、学習者の役に立ててもらえたら嬉しい。
※"SAS3・BetygA"について
"SAS3"とは、"Svenska som andraspråk nivå3"というコースの略称で、"SVA3"と略すこともあります。
CEFRでいうとおよそC1レベルです。
"Betyg"とは『成績』のことで、AからFまであり、A〜Eが合格、Fが不合格です。
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